マークファーガソン氏の意見書

2015年1月1曰

意 見 書

東京のコイン販売業者和田英之氏による日本人投資家への米国希少コイン販売価格が、
正常価格を著しく逸説している件について

意見書作成者 :マーク・ファーガソン(コイン専門家)

本意見書作成の背景
当職は、オーストラリア弁護士金城昭一氏より、あるコイン取引に関し米国希少コイン専門 家の立場から意見書を作成してほしい、との依頼を受けた。その取引とは、日本人投資家達が、 東京のコイン販売業者和田英之氏から米国希少コインを購入したことに関する取引である。

当該コイン購入者らは、和田氏が米国希少コイン市場の常識的慣行および顧客に販売した希少コインのグレードについて、また将来の価格上昇について虚偽の説明を行い、同時にこうしたコインの市場価格について著しい過大評価を行っていたと主張する。和田氏のこうした虚偽の説明の結果、当該購入者らは、米国における同程度の希少コインの実勢価格の2倍ないし6倍の高額を支払うに至ったという。

金城弁護士から提供された和田氏のウェブサイトの英訳では、和田氏は過去14年間の希少コ イン取引で総額150億円以上の売上げを達成したと喧伝している。

米国で一般に認知されたコイン鑑定システム
グレーディング(格付け)は、希少コインの市場価値を左右する重要な要素である。グレードのわずかな違いが希少コインの市場価値に大きく影響することもある。 2013年1月に米国で開催された入札自由参加形式のコインオークションでは、最高落札額が1、000万米ドルを超える例もあった。また米国市場では、数百ドルから数百万ドルまでさまざまな価格帯で、日常的にコイン取引が行われている。

米国希少コインのグレード鑑定は70段階に分かれている。グレード1は、劣化が激しくほと んど外観を認識できないコインである。グレード70は完全無欠であることを意昧し、米国コイン鋳造所で鋳造されたばかりのコインと同じ状態のコインをいう。一般に投資向きとされる希少コインは、66から上のランク、すなわち鋳造状態が良好なものであるとされている。

投資向きコインの鑑定用語に「ミントステイト(Mint State)」、略称MSといわれるものが ある。例としてMS66、MS67という表現が用いられる。プルーフコインについても同様に、プ ルーフ66、プルーフ67という方法で表示されている(プルーフコインの詳細については下を参照されたい)。

世界中のコレクターや投資家から認められている米国のコイン鑑定会社は、次の3社のみといわれている:

●PCGS社(Professional Coin Grading Service)
● NGC社(Numismatic Guaranty Corporation)
● CAC社(Certified Acceptance Corporation)

この3社は公平な見地で第三者鑑定を行っており、自社の鑑定が甘いためにコインの価値を過大評価してしまった場合には、買戻し保証で対応している。以下に述べるように、CAC社の 買戻し保証はPCGS社およびNGC社の制度と異なり、グレードを保証するものではないが、CAC 社が鑑定し認証ラベルを付与したコインについてCAC社が保証する買取価格で買戻しを行うと いうものである。

PCGS社とNGC社は、鑑定を終えたコインを「スラブ」と呼ぶプラスチックケースに密封する際、コインのグレードと固有の鑑定番号を明示したラベルを貼付する(スラブは不正な方法では開封できない構造になっている)。こうしてスラブに密封されたコインについて、さらに厳格な鑑定を行うのがCAC社であり、これに合格したコインのみがCAC認証コインとなる。 CAC社が認証したコインには、そのスラブ(PCGS社およびNGC社のスラブ)に独自のホログラ ムラベル(緑の楕円形シール)を貼付し、不正に剥がした場合はそれを検知できるようにして いる。 CAC社は、PCGS社およびNGC社の創設者が設立した会社である。 CAC社は希少コインの取引価格を提示するという方法で希少コイン相場を形成し、現物を確認しないで行う取引でも CAC認証を基にその価格での買取り保証を行う。

CAC社は、PCGS鑑定コインとNGC鑑定コインをAからCの3段階で独自に評価する。 CAC社 の見解として、PCGS鑑定コイン、NGC鑑定コインは次の段階に分けることができるという:
(1)PCGS社、NGC社により付されたグレードが求める水準の最低ラインを満たしているが、 CACの基準を満たさないと判断されるもの、これを「C」級とする。
(2)付されたグレードに ふさわしいコインと認められるもの、これを「B」級とする。
(3)付されたグレードが要求す る水準を上回っており、1ランク上のグレードが求める水準をほぼ満たしているもの、これを 「A」級、またはプレミアムクオリティとする。このうち、CAC社が認証ラベルを付与するのは 「A」級または「B」級のコインのみである。

CAC認証コインは、米国で大手とされるオークション会社やコイン業者のすべてから認知さ れている。オークション会社は出品コインがCAC認証付きであるか否かを力タログ中で記載し、 コイン業者は広告や力タログ中の販売リストに同様の記載を行っている。

PCGS社とNGC社は、ラベル上にグレードを表示する際、特に上質(プレミアムクオリティ) と認められるコインに「+」マークを併記するというシステムを採用する。オークション会社 やコイン業者もカタログや広告でこの「+」マークを用いるが、米国希少コイン市場において はCAC社の認証ラベルがより広く認知されている。

米国には他にも鑑定会社が多数存在するが、コレクターや投資家の認知度は低い。米国希少コインの購入を検討する多数のコレクターや投資家にとって、PCGS社、NGC社、CAC社以外の鑑定会社のグレードが付いたスラブ入りコインなど考慮に値しない、というのが実際のところ であろう。認知度の低い鑑定会社の中にも公平な第三者鑑定を行うところが無いわけではない が、コイン業者主導のバイアスのかかった鑑定方法を採用し、第三者鑑定を行っているかのように見せながら、自分で販売するコインの鑑定からスラブ密封までを業者自らが行ってしまう場合もある。

和田氏が編み出したコイン格付け方法
和田氏は、CAC方式を手本として独自の鑑定評価方法を編み出した。それは、CAC認証ラベルと同じように、PCGS社やNGC社の鑑定コインのスラブに和田氏オリジナルの楕円形シールを貼るというものである。そのシールには「AAA」という文宇が表示されている。和田氏のコインビジネスにまつわるトラブルを知る者を除き、米国希少コイン市場の関係者の中で、和田氏の方式を見聞した者は皆無と言ってよいだろう。和田氏の方式は無名であり、さらには全く認知されておらず、通用しないといって過言ではない。

希少コインの価値を決めるのは、グレードと希少性である。これと関連性があるようなので 付言するが、PCGS社、NGC社が「コイン全体の外観」「美しさ」を評価項目の一部として以前から採用しているのに対し、和田氏はこの評価項目のみに依存して鑑定を行っている。米連邦取引委員会によると、コインのグレードを意図的にかさ上げし実勢価格から何倍にも水増しして販売するというのは、悪質業者の常套手段である。和田氏のウェブサイトに掲載された販売 記録(金城弁護士がデータをまとめ翻訳したもの)を見ると、和田氏は顧客に対し、実勢価格の2倍から6倍(あるいはそれ以上)の額でコインを販売してことが判る。

米連邦取引委員会はさらに、「悪質なコインディーラーによる鑑定サービスが詐欺的な販売 スキームの一部に組み込まれていたり、そうしたサービスが消費者を誤認させるという例が、後を絶たない」と盟告する。和田氏の「AAA級」なる格付け方法は、同委員会が盟告するこう した悪質なスキームの典型的な一例と思われる。和田氏は自ら考案した以下の定義を用い、 PCGS社やNGC社が正確に鑑定したコインの価値について顧客を欺くために、「AAA級」なる シールを表示する方法を採用している。米運邦取引委員会は、「価値に関する不正行為は、希少コイン詐欺に関してますます一般化している」と指摘する。

和田氏の「AAA級」なる格付けの定義は、同氏のウェブサイトに掲載されている。当職が金城弁護士から提供されたその翻訳によると、次の内容が記されている:「両面とも全く汚れが ない完全な状態を指します。 100枚見て4~5枚しか存在しておらず、Bランクに比べ20倍以上 稀少性が高いにもかかわらず、価格は2~3倍しか違わない」。金城弁護士の翻訳によると、Bランクの定義は次の内容である:「いわゆる一般品(PCGS社/NGC社が鑑定評価したもの)であり、汚れやカビがある汚い表面をしています」。

金城弁護士によると、和田氏は日本人投資家らに対し、米国市場のAAA級コインは和田氏が 全て買い取ってしまったため、そのレベルのものは米国市場に残っていない、と説明したとい う。しかし、AAA級というグレードは米国で認知されていない、和田氏が日本で自ら編み出し たものであるため、AAA級コイン自体が米国市場に最初から存在しないと考えれば、和田氏の説明は虚偽に該当する。また、米国市場に第一級と呼べるクオリティのコインが存在するか否かと問われれば、大量に存在する、という答えになる。

CAC認証が公正な第三者鑑定に基づくのに対し、和田氏の手法は、自身のコイン販売のため に自ら編み出した主観的な鑑定システムである。金城弁護士によると、和田氏は曰本人投資家らに対し、PCGS社やNGC社の鑑定コインはB級品だと話すー方、PCGS社やNGC社の鑑定コインに自身が編み出した「AAA」シールを貼り、上等品と称して顧客に販売している。

金城弁護士の調べによると、2014年3月に米国ボルチモア州メリーランドのオークションで、 複数の日本人投資家が出品した39枚の希少コインが売却された。このオークションを手がけたのは、Stack’s Bowers Galleries という会社である。この39枚は「チェリーブロッサム・コレクシ ョン」と称して売却されたが、カタログ掲截および売却が行われる前に、各コインに付与されたラベル認証が示す鑑定評価を検証するため、全コインがCAC社の鑑定を受けることとなった。対象コインの中で、CAC社の厳格な鑑定基準に合致するとして認証ラベルを受けることができ たのは、39枚中わずか6枚に過ぎなかった。この6枚については、公表されているオークションカタログの中に評価が記載されている。米国コイン市場で認知されている鑑定基準の中で、 CAC社のそれは最も厳格であり、格付けの確かさやコインの最高品質を示すブランドとして周知度が一番高いため、同一グレードであってCAC社の認証ラベルが付かないコインと比べ、認 証ラベルが付いたコインはオークションでも個人間取引でも最高値が付くのが一般的である。

コイン鑑定において重視すべきは、表面に妙な処理が加わっていない、原型をとどめたコイ ンの方がコレクターに好まれるという点である。これを絶対条件と支持するコレクターは実に多い。宝飾品だと輝きが増すよう軽く拭いたり洗浄液に浸すこともあるが、コインコレクター はそういう処理を望まない、と言い換えることもできる。洗浄されたコインは表面が不自然であるため、希少コインの専門家なら違いを見抜くことが可能である。しかし初心者は、その光り輝く外観をコインの長所と捉えてしまうことが多い。

実際、当職は、CAC社の創立者から次の説明を受けた:「チェリーブロッサム・コレクショ ン」のコインについて、オークション向けのカタログ掲載前にCAC社が鑑定を行ったところ、 同社の厳格な鑑定基準に合致したのはわずか数枚であり、残りはすべて不合格であった。その理由は、不合格コインの大半について洗浄液に浸した痕跡が認められ、洗浄跡が明らかなコイ ンは規格外とするCAC社の厳格な基準に合致しなかったためである。このように、洗浄処理はコインの市場価値にマイナスに作用するのである。

プルーフコインは米国の鋳造所からコレクターに販売されていたという事実について。
「プルーフ」とは、コインの製造方法を示す用語である。これは米国鋳造所製の記念コイン であり、念入りに磨き上げられた特製の円行(円盤が材料のこと。英語名Blank)と金型(英語名Die)を使用する。表面の凹凸が明瞭に浮かび上がるよう仕上げるため、金型で2回以上刻印を行うコインである。鏡のように表面が反射するのもプルーフコインの特徴である。

金城弁護士によると、和田氏はブログ上で、2009年ウルトラハイレリーフ・ミントステートコインは将来「プルーフ」コインに格上げされる可能性があり、それにより価格は倍に跳ね上 がる事も考えられる、と述べている。また、表面が鏡状の光沢を持つ「プルーフライク」モーガン銀貨も将来「プルーフ」コインに格上げされる可能性があり、価格もそれに伴い上昇する かも知れない、述べている。これらはいずれも虚偽の説明に該当する。ミントステートやプル ーフライクコインがプルーフコインに格上げされるなどあり得ない。なぜなら、こうしたコインはその特徴が明らかに異なり、製造方法もそれぞれ違うからである。すなわち、「ビジネスストライク」といわれる流通向けに鋳造されるミントステートに対し、プルーフコインはコレクション目的のものである。

また、和田氏の顧客らによると、和田氏はプルーフコインについて、大統領や政府高官、そ の他有力者を対象に製造されたものだと彼らに説明したという。そういう人々に渡った例もあるかも知れないが、コレクターが米国鋳造所からプルーフコインを購入することも常に可能で あった。一方、1834年に製造され、外交使節団が当時のシャム王に献上したことで知られる 「King of Siam」プルーフセットのような例もあることは事実である。しかし、これは非常に特殊な事情によるものであり、通常の例にはあてはまらない。

米国市場における希少コインの価格形成と和田氏の販売価格
米国では希少コインの価格情報が数種類あり、出版物とインターネットで利用できる。ただし、それらはあくまで参考(カイド)として利用すべきものである。希少コインの価格判断に際し、オークション結果を参考にする人もいる。こうしたオークションの落札価格も、やはり参考としてのみ用いるべきと思われる。

希少コインの市場価値は、さまざまな要因により決まる。鑑定対象のコインの特徴を評価し ようという考えもあれば、販売価格の点で鑑定対象コインと競合する他のコインの特徴を評価 するという考えもある。市場の動向やタイミング、経済的要因などもあるだろう。いずれにせ よ、最も精度の高い鑑定を得たければ、希少コイン業界の正式な資格と客観的な目を持つ専門家に委ねることが肝要である。

米国希少コインの中でPCGS社やNGC社が鑑定しCAC社が認証したコインは、最高市場価格で販売された例が最も多い。米国希少コイン市場において、これ以上のスタンダードは存在しないといって良いだろう。

当職は2012年に、希少コイン市場に関する広範な調査レポートを執筆し、Coinweek.comの 協力を得て発表したことがある。内容は、CAC認証があるPCGS鑑定コインおよびNGC鑑定コインと、CAC認証がないそれらとの販売価格の比較に関するものである。米国希少コイン5、545 枚の販売結果を調べ、CAC認証があるとどれだけプレミアム価格が上乗せされるのか、その上昇率の平均値をグレード別にまとめたものを以下に記す:

● MS 64 - 12.98%
● MS 65 - 19.75%
● MS 66 - 33.84%
●MS 67 - 57.98%

以上は、CAC認証がないコインに対するCAC認証付きコインのプレミアム価格の平均値であ る。これに対し、米国希少コイン市場においても通常の取引においても、和田氏の「AAA級」 格付けは何らのプレミアムも生み出さない。例外は、そのコインにCAC認証が付く場合である。 だが金城弁護士によると、和田氏は実勢価格の2倍から6倍、時にはそれ以上のプレミアム価格を付けるのが通例であり、しかも対象コインにCAC認証は付いていないという。これは、米国希少コイン市場における悪質な虚偽説明に該当し、和田氏はこういう手段を用いることで日本人投資家を欺いていると言える。和田氏が販売しているコインがPCGS社とNGC社という公正なコイン鑑定業者が正しく鑑定したコインが対象であることからすれば、尚更の感がある。

米国におけるコイン業者のマージン
金城弁護士から提供された情報によると、和田氏はこうしたPCGS鑑定コインやNGC鑑定コインを実勢価格の2倍から6倍で顧客に販売していることが分かる。投資向きコインにそのような高値が付くなど米国ではあり得ない。米国における希少コイン業者のマージン率は、非常に高額なコインで売値の5%以下、通常は15~20%が一般的である。ただし、大手業者の中に は30~35%というところもある。

現在、米国の大手オークション会社の販売手数料は、―律で販売価格の17.5%となっている。 売り手(出品者)がオークション会社に委託する際、代理手数料が発生するか否かは交渉次第 である。個人売買の代理を業者に依頼する際の手数料は、販売価格の5~10%が一般的といわれ ているが、こちらも交渉次第である。

金城弁護士によると、和田氏は口頭およびブログを通じ、自身のマージンは10%だと日本人 顧客に説明してる。この点も虚偽の説明と思われる。和田氏の顧客から提供された情報から判 断すると、和田氏は通常で2倍から6倍のマージンを設定していたと思われる。また、米国市 場で実際に成立したオークション落札価格と、その後同一コイン(鑑定番号が完全―致するコ イン)を和田氏が曰本で販売した際の価格を調べてみると、和田氏は米国のオークション落札 価格の数倍の価格で曰本人投員家に売りつけていたことが判明した。

「Certified Coin Dealer Newsletter」掲載価格に対する市場プレミアム価格  
業者間の売買に関する情報をまとめた資料として「Certified Coin Dealer (「ブルーシート」と もいう)」というニュースレターがある。その価格カイド欄の最初のベージには、芙語で次の ような内容が記載されている:「現物を確認して取引する場合、業者間の取引をまとめたブルーシート記載の販売価格を大幅に上回ることもある」。その意昧するところを出版元に尋ねたところ、ブルーシート価格は現物未確認取引、すなわち入札側が目当てとするグレードに該当 するコインなら、無条件で(対象コインがそのグレードに見合う価値をほとんど有しない場合 や、水準以下の品質である場合でも)成立する取引における価格であるという。

金城弁護士の話から当職が理解するところでは、和田氏は上の記述(免責事項)を用い、「AAA級」コインは「現物確認」取引きのため、他のコインディーラーが扱うコインと比べ高額なプレミアム評価を受けられる、と弁明している。端的に言って、この弁明は虚偽である:
(1)和田氏の「AAA級」格付け方法は米国のコインディーラー業界で無名であり認知もされて いないため、「AAA級」シールが付いたコインは取引きされておらず、(2)NGC社および PCGS社が鑑定し格付けした平均的なコインは、その大半がブルーシート価格より高値で取引きされている。米国市場で実際に成立したオークション価格を調べた結果、和田氏は米国市場で販売されたコイン(ただし「AAA級」シールなし)と同等の状態・グレードのコインを、米国実勢価格の数倍で販売していたことが判明した。

繰り返すが、米国希少コインの格付けにおける最高のスタンダードはCAC認証である。全般的な傾向として、同じ格付けのコインであってもCAC認証のある方が相当高い値が付く。一方 和田氏のAAA級品コインが米国市場で認知されていないことからすれば、2倍から6倍という価格設定は米国市場の常識から見て不当に高いと思われる。こちらも繰り返しになるが、この 比較対象を行う際は、2012年に当職自身が調査し執筆したCAC Market Study、および本意見書の中で述べている慣習的なコインディーラーのコミッションおよびマージンに関する記述を参 照されたい。

米国希少コイン投資ファンドと和田氏の買戻し保証
和田氏のAAA級なる鑑定方法は、米国希少コイン市場で認知されていないため、米国投資ファンドが「AAA」シールを見て食指を動かすなどまず考えられない。米国で希少コインを扱う有能なファンドマネージャーであれば、PCGS鑑定コインかNGC鑑定コイン、あるいはさらに CAC認証付きのものに投資対象を限定するであろう、と考えるのが最も自然である。

米国希少コインの需要が最も旺盛なのは米国市場である。したがって、その市場価格も一般的に米国が最も高い。つまり、取引の舞台が欧州、南米、曰本、中国など世界のどこであっても、その市場価格は米国に準じたものとなるはずである。

ここで、米国希少コインの需要と価格は米国が最も高い、という事実に基づいて考えてみる。 もし和田氏が日本人顧客に不当な高値でコインを販売してからそれを買戻し、水増しした価格で再び日本人または中国人の顧客にそのコインを売りつけるとしたら、和田氏は、日本または 中国(中国にそのような市場があればの話だが)において、投資家に対し不当な高額販売を繰 り返し行なっていることになる。米国では、過去にニューヨークの投資会社オーナー、マドフ氏が同様の事件を起こしたことが有名だが、このような行為は「ポンジ・スキーム」という詐欺のー種とみなされる可能性がある。

価格上昇に関する虚偽の主張
米連邦取引委員会は、次のように警告する:「ニューヨークの投資銀行ソロモン・ブラザー ズがかつて毎年公表していた希少コインの価格上昇率データを引用しバイヤーを誤認させよう とするのも、悪徳業者の常套手段です。」。金城弁護士の話から当職が理解したところでは、 和田氏はこれまで、人気の高い自身のブログや出版物などを用い、「100Greatest U.S.Coins」と題する書籍から選んだ複数の米国希少コインに関する価格上昇率の見通しを行っている。また和田氏はこの書籍を引用し、過去50年間に米国希少コインの価格は概して140倍も上昇したと いう虚偽の説明を曰本人投資家に行っている。しかし、この書籍に列挙された100種のコイン はいずれも希少性が非常に高いのに対し、和田氏が販売したコインの希少性はかなり低い。一般論として、希少性が非常に高い高品質のコインの方が希少性が低いコインより高い価格上昇率を示すが、過去には希少コインの相場全体が低調な時期も何度かあった。

米国希少コインの市場価値について将来必ず上昇する保証は全く無いという点は、留意され るべきであろう。経済的要因やコイン市場に内在する要因によってコイン市場のトレンドや価値は影響を受けるし、基本的な需給要因は希少コインの市場価値を左右する。過去のパフォー マンスは将来の結果の保証とはならず、希少コインの価値が上昇するか下落するかを確実に知 るすべはない。

結び:和田氏は、専ら自らの利益のためにCAC方式を手本とする鑑定評価方法を編み出した。 しかし、PCGS社やNGC社が以前から「美しさ」を判断基準の一部としているのに対し、和田氏の鑑定方法では「美しさ」を唯一の判断基準として依存している。和田氏が日本で販売した コインは、その多くが洗浄液に浸したものであることが判明している。和田氏は顧客に対し、 PCGS社やNGC社が正確に鑑定したコインの価値について誤った説明をしている。和田氏は、 米国希少コインの価格上昇について虚偽の主張を行い、自身のマージンについて曰本人投資家に対し虚偽の説明を行っている。コインディーラーが和田氏のように2倍から6倍もの不当な マージンを請求したら、そのような詐欺的な高額マージンが発覚した途端に、顧客離れと同時 に返金要求も相次ぐだろう。そうなれば、このような不当なビジネスモデルは持続不可能とな ると思われる。

コイン専門家マーク・ファーガソンの職務経歴

2014年:著書「The Dollar of 1804 - The U.S.Mi・s Hidden Secret」を上梓。

1969年-現在:あらゆる等級・状態の米国コインに関し、弁護士の依頼による鑑定、遺産鑑定、 保険関連での鑑定、法律案件関連の鑑定などの業務を行い、全米各地でさまざまな経験を重ね る。

2011年-現在:米国コイン・貴金属市場情報に関するニュースレター「Coin Dealer Newsletter」の毎週一面に掲截されるコラム「The Market in Depth」の執筆者を務める。こ のニュースレターは1963年以来、コイン卸価格情報に関する代表的なカイドである。 2011年一現在:CoinWeek.comのレギュラーコラムニストとして、自ら選んだ貨幣に関する トピックをテーマとするコラムを執筆中。

2012年:CAC(Certified Acceptance Corporation)にて市場研究に従事。 CACは第三者機 関としてコインの鑑定評価を行う会社。 CACの創設者は、PCGS、NGCの創設者と同―人物。

2002年-2009年:専門誌Coin Worldのコイン価格カイドCoinvaluesのマーケット・アナ リストを務める。 Coin World 誌は1960年以来、米国コイン市場における代表的な紙媒体の 情報誌。 1987年-1990年:コイン鑑定会社PCGSに専門コイン鑑定士として勤務。 PCGSは世界規模で展開するー流かつ最大のコイン鑑定会社。


アメリカにも複数の識別鑑定がありますが、グレード以外はまともな鑑別はなく、日本人ほど美的感覚を追求できる民族はありませんので、世界一の鑑別システムをアジアで広めていき、それを世界標準にしていきたいと思っています。
2014年06月25日Nevadaブログ

コインレポートにありますとおり、この投稿の時点で和田商法のインチキ振りが米国コイン業界に知れ渡っておりましたので、意趣返しとして、このようなアメリカ批判・蔑視の記事が出たものと思われます。
また、和田氏は米国市場で相手にされない状況となるや、「世界一の鑑別システムをアジアで広めていき、それを世界標準にしていきたいと思っています。」と称し、中国市場で稀少金貨を販売するとアピールしてますが、これに対して、意見書ではこのように述べられています。

米国希少コイン投資ファンドと和田氏の買戻し保証
和田氏のAAA級なる鑑定方法は、米国希少コイン市場で認知されていないため、米国投資ファンドが「AAA」シールを見て食指を動かすなどまず考えられない。米国で希少コインを扱う有能なファンドマネージャーであれば、PCGS鑑定コインかNGC鑑定コイン、あるいはさらに CAC認証付きのものに投資対象を限定するであろう、と考えるのが最も自然である。
米国希少コインの需要が最も旺盛なのは米国市場である。したがって、その市場価格も一般的に米国が最も高い。つまり、取引の舞台が欧州、南米、曰本、中国など世界のどこであっても、その市場価格は米国に準じたものとなるはずである。
ここで、米国希少コインの需要と価格は米国が最も高い、という事実に基づいて考えてみる。 もし和田氏が日本人顧客に不当な高値でコインを販売してからそれを買戻し、水増しした価格で再び日本人または中国人の顧客にそのコインを売りつけるとしたら、和田氏は、日本または 中国(中国にそのような市場があればの話だが)において、投資家に対し不当な高額販売を繰 り返し行なっていることになる。米国では、過去にニューヨークの投資会社オーナー、マドフ氏が同様の事件を起こしたことが有名だが、このような行為は「ポンジ・スキーム」という詐欺のー種とみなされる可能性がある。